コーヒー生産国 コスタリカ

コーヒー生産国

コスタリカ



 「中米のスイス」と呼ばれ、軍隊を持たない平和主義の国、コスタリカ。


 環境保護先進国としても有名で、国内に30を超える国立公園を有しており、森林地帯が国土の40%以上という美しい自然に囲まれた国でもあります。


また、3000m級の9つの活火山を有しており、国土を横断する火山帯によって、標高差のある地形が作られています。


なので、コスタリカは熱帯地域でありながら、標高の高い山岳地帯が多く、火山灰による豊かな土壌により、高品質なコーヒーを栽培するのに良い環境がそろっているのです!


火山灰性の土壌は、ミネラルが豊富で、また保水力もあるのでコーヒーを栽培するのに酸素の供給を助けたり、コーヒーが最適な栄養分を吸収することができます。


地形に恵まれたコスタリカのコーヒー。


その75%が、標高1000~1700mの高地で栽培されています。


標高が高いと、日中と夜間の温度差が激しく、コーヒーの実が膨らんだり、縮まったりする動きを繰り返します。


この動きによってコーヒーの生豆が引き締まり、美味しいコーヒーになっていきます。


降水量に関しても、ハッキリとした雨季と乾季が存在していて、また、コスタリカはほぼ赤道の真下に位置しているので日射量も多くとることができます。


コスタリカでは、コーヒーの木の近くにシェードツリーを植え、コーヒーの木に日陰を与え、必要以上の日射量を抑えることで、コーヒーの木に安定した日射量を与えています。


シェードツリーには、土壌の変色を防いだり、落ち葉や枯れ枝が、コーヒーの木の天然の有機物になり、土壌をさらに良くするといった効果もあります。


これらの素晴らしい気候条件のもとに、3月~4月の雨季にコーヒーの木は白くきれいな花を咲かせ、6月頃にはコーヒーチェリーが実り始め、12月になるとコーヒーチェリーが赤く成熟していきます。





こうしたコスタリカのコーヒー豆の安定した供給と、ブランドや品質を守るために作られたのが、CICAFE(国立コーヒー協会研究所)です。


1933年に設立され、生産から輸出までを管理・指導しています。


また、生産者への技術的な指導を行っており、コーヒー農家の生産技術を向上させることで、コスタリカ全体のコーヒー豆の品質向上につなげていっています。


CICAFEは環境保護への取り組みも真摯に行っています。


持続的に良質なコーヒー豆を生産していくためには、環境を無視したコーヒー豆の栽培をしてはいけません。


実際に、コスタリカでは1900年代にコーヒー豆の栽培に伴う環境破壊が問題となっていました。


このままでは持続的にコーヒーを栽培していくことができないと、コスタリカの政府がCICAFEと協力して、コーヒー豆の洗浄用の水の使用量を制限したり、排水物のろ過装置の設置を行いました。


生産性の向上と環境保護の両立という難しい課題にCICAFEが取り組んでいくことで、コスタリカのコーヒーを陰で支えているのですね。




そして、コスタリカのコーヒー生産で最も特徴的なのが、アラビカ種以外のコーヒー豆の栽培を禁止していることです。


アラビカ種とは、僕たちが扱わせていただいているスペシャルティコーヒーとしてのグレードがつけられるような、高品質で素晴らしい風味をもったコーヒーの品種のことです。


これは、1988年にコスタリカの政府が法律として制定されていて、アラビカ種以外のコーヒー豆を国で禁止するというのは前代未聞で、世界で唯一、コスタリカでしか行われておりません!


この法律からも、国をあげてコーヒー豆の品質を維持して、良質なコーヒーを世界の人に味わっていただこうという心意気が感じられるのではないでしょうか!


コーヒーを栽培するのに最適な環境と、それを国でサポートすることで、コスタリカはより良いコーヒーを栽培しているのですね。


またコーヒー豆の生産に携わっている農家は8万件を超えるといわれ、その8万件のうち90%が小規模の農家さんたちです。


そのために、大変にはなりますが、コーヒー1粒1粒にかける手間が大きく、真摯に向き合うことで美味しいコーヒーをつくることができます。



しかし、コスタリカでは一般的にコーヒー農家は農協や集荷業者にコーヒーチェリーを販売し、農協などがたくさんのコーヒー農家から集めたコーヒーチェリーを巨大な処理設備を使用して水洗処理を行っていました。


コーヒー農家にとっては、自分でコーヒーチェリーを加工する必要がないので作業が簡単になるのですが、その分業者に利益が取られてしまうので、どうしても農家のかたにはいる収入が少なくなってしまいます。


また、せっかく素晴らしいコーヒーを育てている農家の方がいらっしゃっても、それが埋もれてしまう可能性もありますよね。


このような状況を解決するために、コスタリカでは「マイクロミル」というコンパクトな生産処理機を導入しました。


これにより身内や近隣の農家の方がグループで集まって小さなミルを使って生産処理までを自分たちで行い、生産性とクオリティを高めることができました。


コーヒー農家の方の生計をより良くし、良質なコーヒーを持続的に作っていくことができるようにしていくために、このマイクロミルを導入した方法は注目を集めています。


そして、コスタリカといえば、「ハニープロセス」が有名です。


通常、ウォッシュドプロセスのコーヒーは、実から果肉を取り除き、ミューシレージというネバネバした粘液質も取り除いて乾燥させます。


しかし、ハニープロセスではあえてミューシレージをある程度残したまま乾燥させます。


これにより、ミューシレージに含まれている糖分が生豆に濃縮され、甘さやフルーツ感が増した、より風味が豊かな生豆に仕上げることができます。


コスタリカでは、このミューシレージをどの程度残すかによって


コスタリカでは、ミューシレージをどの程度残すかや乾燥の期間によって、

「ホワイトハニー」

「イエローハニー」

「レッドハニー」

「ブラックハニー」

などと名称を使い分けています。


ハニープロセスには、発酵のしすぎや欠点豆が混入しやすくなるといったリスクもあります。


そして、ハニープロセスのコーヒーは乾燥させるのにかなり手間がかかります。


というのも、ミューシレージがついた状態の、表面がネバネバしたままで乾燥させるので、乾燥の状態にムラができたりカビができたりしてしまうからです。


なので通常のプロセスよりも、よりコーヒーに真摯に向き合って、豆を通常よりもしっかり攪拌してならしてあげ、豆と豆がくっつかないようにしたりしてあげなければいけません。


このようなリスクを減らせるように、農園ごとに工夫や調整が行われており、このような取り組みをすることで、質の良いコーヒー豆を生産し続けているのです。


僕たちが今回取り扱わせていただいている「コスタリカ ジャガー ブラックハニー」も、ハニープロセスのもたらす素晴らしい風味をしっかりと感じていただけるコーヒーになっております。

 

ぜひ、売り切れる前に飲んでみてくださいね!




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