ホンジュラス エベネゼール農園
ナチュラル
ホンジュラスは、標高の高い山が多く、肥沃な火山灰土壌をもったコーヒー農園や、標高の高い地でのコーヒーの生産をおこなっているなど、高品質のスペシャルティコーヒーが育つ条件を多く持った国です。
2001年以降、ホンジュラスではコーヒーの生産が飛躍的に伸び、中米最大のコーヒー生産国でもあります。
しかし、2012年に大流行したさび病により、その当時はコーヒー豆の生産が最大80%も減少し、約170万人の人々が仕事を失ってしまいました。
さび病に加え、市場でのコーヒー価格の低迷などが原因で、多くの方がコーヒー農園を続けることが困難になり、家族を養うためなど、コーヒー生産から離れるしかありませんでした。
(生産者:オスマン氏)
Lempiraという地域の標高1650mのところにその農園はあります。
品種はカツアイ種。
さまざまな品種のコーヒーの栽培に取り組んでいるのですが、いまの環境では、カツアイ種が自分の農園に適していたとのことです。
生産者であるOsman氏は、もともとは自分で生産したコーヒーを、コモディティコーヒーの価格(New York C)で販売していました。
しかし、2018年からスペシャルティ―コーヒーとしての生産を始め、品質に真剣に向き合うことによって、現在では高品質のスペシャルティコーヒーを生産されています。
コモディティコーヒー(コマーシャルコーヒーとも言います)は、先物取引といってコーヒーの味のまえに、需要と供給で価格が先にほぼ決まってしまいます。
価格を決めるためのコーヒーの品質も、国ごとのコモディティコーヒーの等級付け、
(ホンジュラスでは栽培される標高の高さで格付け)によって決められます。
これは、膨大な量のコーヒーの品質を見極める一つの指標としては良いのかもしれません。
たしかに、標高が高い産地で生産されるコーヒー豆は、コーヒーの実が成長、成熟していく時間が長くなる分、密度が高く酸の質が良いコーヒーが育つといわれています。
問題なのは、どこの、誰が、どんな風に作ったのかなどの「トレーサビリティ」がないので、その同じ等級のなかで、どこかの農園の方がせっかく高品質のコーヒーをつくっても、全てまとめてキロ単位で買い取られていってしまうことだと思います。
苦労して質の良いコーヒーをつくっている農園には、より高い価格を払ってもいいはずではないでしょうか。
スペシャルティコーヒーでは風味などコーヒー豆の持つ品質に応じて価格を決めていきます。
そしてトレーサビリティが明確なので、美味しいコーヒーをつくれば、ちゃんとその人のところへ相応のお金が回るようになっています。
素晴らしい風味を持つ、品質の高いコーヒー豆をつくればそれだけ値段も上がる仕組みになっているので、コーヒー農家の方もやりがいをかんじてコーヒーをつくることができそうですよね。
Osman氏も、コーヒーと真剣に向き合い、高品質のスペシャルティコーヒーを生産することによって、収入も増え、家族の生活も豊かになったりと、コーヒー農家としてのやりがいや希望をもってコーヒーづくりに取り組んでいらっしゃいます。
Osman氏の生み出す、カツアイ種のナチュラルプロセスのコーヒー。
(カバー付きアフリカンベッド)
グレープやハイカカオのチョコレートのような風味、冷めてくるとストロベリーのような風味もジューシーでとても滑らかな口当たりとともにかんじていただけます。
スペシャルティコーヒーの生産に取り組んでからまだ数年というOsman氏、彼の手がけるコーヒーがこれからどう進化していくのか、目が離せませんね!