From Seed To Cup
フロム・シード・トゥ・カップ
ー1杯のコーヒーができるまでー
コーヒーは、僕たちが飲むまでにさまざまな過程を経てきています。
スペシャルティコーヒーでは、味わいはもちろんのこと、このさまざまな過程の全てにおいて徹底した品質管理をしていることが求められています。
これを表現しているのが「From Seed To Cup(フロム・シード・トゥ・カップ)」という言葉です。
これは、生産地で栽培されているコーヒーのタネ(Seed)から、私たちの飲む一杯のコーヒー(Cup)になるまで、さまざまな人の努力があり、働く人などのきちんとした体制や工程、徹底した品質管理がされていることが大切、という考え方を指しています。
では、実際にどのような過程を経て、私たちの飲む一杯のコーヒーになるのか、順をおってみていきましょう!
1.栽培
コーヒーノキは、タネを植えてから3~5年程度でコーヒーチェリーを収穫できるようになります。
プランターなどで苗木でを50cmほどに育ててから畑のほうに植えるのが一般的です。
コーヒーを栽培している地域には、一年で乾季と雨季があり、この乾季が終わって雨が降ると白い花が咲き、コーヒーノキは緑色の実をつけ始めます。
2.収穫
緑色の実はだいたい6~8か月すると熟して赤くなります。
品種によっては黄色やオレンジ色など、赤色以外に熟すものもあります。
美味しいコーヒーに仕上げるためには、完熟したコーヒーだけを選んで収穫することが大切で、熟度を見分けて1粒ずつ丁寧に手摘みしなければいけません。
美味しいコーヒーには、それだけコーヒーチェリーをピックする方たちの努力や手間がかけられているということですね。
大規模な農園では機械による収穫を行ったのちにコーヒーチェリーの選定をしていたりもします。
3.生産処理
収穫したコーヒーチェリーはその後、その農園や生産処理場それぞれの方法で処理がなされ、やっと焙煎する前の生豆(コーヒーチェリーのタネの部分)の状態になります。
伝統的な生産処理だと、コーヒーチェリーのまま乾燥させてタネを取り出す「乾燥式(ナチュラルプロセス)」と、果肉を除いて水で洗ってから乾燥させて種を取り出す「水洗式(ウォッシュドプロセス)」があります。
同じコーヒーでもこの生産処理によって異なった様々な素晴らしい風味をもったコーヒーに仕上がるので、いまではさまざまな生産処理の方法が生み出されており、とても注目されている工程のひとつです。
4.選別
生豆から欠点となる豆や、小石、枝などの異物を取り除いていきます。
欠点豆は、欠けたものや虫に食われたものなど、味わいを損ねる原因になります。
人の手で選別していく伝統的な方法や、機械による選別をしているところもあります。
選別が終わった後に、生豆の重量や粒の大きさを揃えていきます。
5.カッピング
ワインのテイスティングのように、コーヒーを口に含んで品質をチェックし、味わいを評価します。
この時点のカッピングでは、農園や工場で、出荷前の品質チェックとして行います。
生豆のバイヤーや、バリスタ、焙煎士などが現地に赴いて一緒にカッピングして直接買い付けたりもしていますね。
スペシャルティコーヒーでは、専門のカップ審査員がそのコーヒーがどのような風味をもっているか点数を用いて評価するために行われたりします。
6.出荷・輸送
コーヒー生豆は空輸されることもありますが、生豆の状態で麻袋に詰められて、船で輸送されてくるケースが多いです。
赤道近くを長時間かけて運ばれると品質が落ちてしまうため、「グレインプロ」と呼ばれるプラスチック製の袋に生豆をいれてから麻袋に梱包したり、真空パックをしてから梱包、
普通のコンテナでは温度・湿度の管理ができないため、空調で温度・湿度管理のできる「リーファーコンテナ」を使って輸送されたりなど、コーヒーの品質を守るためにさまざまな工夫がされています。
7.焙煎
こうしてやっと各国に生豆が到着します。
コーヒーロースターは直接現地から買い付けたコーヒーや、商社を通したりして自分たちのお店で取り扱うコーヒーを選び、焙煎します。
焙煎士は、焙煎する前にさらに欠点豆などをチェックして取り除き、その豆の美味しさを引き出せる焙煎をしていきます。
焙煎後のコーヒーは、焙煎が適切か確かめるためカッピングをし、さらに異物や欠点豆が入っていないかチェックし、やっと店頭に並べられていきます。
8.抽出
いよいよ、焙煎したコーヒーを挽いて抽出することで私たちの飲む一杯のコーヒーへとなります。
コーヒーショップでは、バリスタがそのコーヒーの特徴や状態を見極めて、適切な抽出を心掛けてお客様に提供しています。
お家でコーヒーを飲むときは、バリスタや焙煎士の方におすすめの抽出方法やレシピを聞いてみると、そのコーヒー本来の美味しさをさらに楽しめるかと思います!
自分が飲んでいるコーヒーにはどんなストーリーがあるのか分かると、自然とそのコーヒーに愛着も沸いてきそうですよね。
僕たちが現在取り扱っているコーヒーについても、すべてブログでご紹介させていただいているので、ぜひコーヒーを飲みながら読んでみてくださいね。