新世界のコーヒー体験
カーボニックマセレーション プロセス。
2018年にスイス代表のEmi Fukahoriさんがワールドブリュワーズチャンピオンシップでこのカーボニックマセレーション処理のコーヒーを使用されていたことでも記憶に新しいですよね。
この生産処理を採用したコーヒーは、2015年のワールドバリスタチャンピオンであるONA CoffeeのSasa Sestic氏が彼が優勝した大会で使用したことから始まりました。
その後、Sasa氏は世界のトップバリスタ達が大会で使用するような素晴らしいコーヒーの味わいを、もっとコーヒーを飲むお客さんにその素晴らしさを共有したいという思い、Project Originのカーボニックマセレーションシリーズが誕生しました。
それからProject Originはさまざまな国のコーヒー農園でカーボニックマセレーションプロセスの研究に農園の方と共に取り組み、結果、素晴らしい風味をもったコーヒーを私たちのもとに送り出してくれました。
実際、シドニーのONA Coffeeでいただいたカーボニックマセレーションプロセスのコーヒーは、それはもう衝撃的すぎてめちゃめちゃテンションが上がってしまいました!笑
そんなカーボニックマセレーションとはいったいどんな生産処理なのでしょう?
この生産処理、なんとワインをつくる際の工程を採用したものなのです。
カーボニックマセレーションは、主に、ボジョレー・ヌーボーの醸造で用いられる技法で、
ブドウを破砕せずに、二酸化炭素を充満させたタンクの中で一緒に発酵させることで、キャンディーのようなフルーティでフレッシュな香りで、タンニン(渋み成分)が抑えられた、濃い色合いをもったワインを造ることができるそうです。
この工程をコーヒーチェリーに採用することで、仕上がったコーヒーに素晴らしい風味を生み出すことができるのがカーボニックマセレーションプロセスです。
まず、カーボニックマセレーションで使用するコーヒーチェリーは糖度20-22度の完熟したチェリーの実を使用します。
それ以外の未熟、あるいは熟しすぎたコーヒーチェリーは手作業で除かれていきます。
その後、ウォッシュドプロセスとナチュラルプロセスそれぞれに分けて生豆の状態に精製されていきます。
コーヒーチェリーの選別後、
カーボニックマセレーション・ウォッシュドのコーヒーはパルピング(コーヒーチェリーの果肉を除去する作業)をして、
カーボニックマセレーション・ナチュラルのコーヒーは果肉がついたまま、
それぞれ温度、湿度が管理できるタンクにいれ、二酸化炭素を充填して酸素をタンク内から追い出し、酵母菌や細菌の活動をコントロールしながら嫌気性発酵させていきます。
その後、アフリカンベッドで乾燥させていくのですが、
カーボニックマセレーション・ウォッシュドのコーヒーは12~18日間乾燥
カーボニックマセレーション・ナチュラルのコーヒーはアフリカンベッドで約30日間乾燥させます。
基本的には普通のウォッシュド、ナチュラルプロセスと変わりないのですが、カーボニックマセレーションプロセスの最大の特徴はやはり温度、湿度を調整のできるタンクで、酵母菌や細菌の活動をコントロールしながら嫌気性発酵させるということです。
酸素をなくすことによってミューシレージ(コーヒーの種についているネバネバした粘液質)から糖が分解されていくのをコントロールすることができます。
また、温度をコントロールすることで、低温(4~8度)で発酵させて、酸味をより特徴的にしていくのか、それより高温(18~22度)でより甘さを出していくのかなど調整をすることができます。
それに加え、渋みやお酢のような不快な強い酸味をを抑えることができ、また酸化や過度の発酵というリスクもありません。
このカーボニックマセレーションプロセスによって、コーヒーは素晴らしい風味をもち、Project Originではそのシリーズごとに、「Indigo」「Jasper」「Amber」「Diamond」と名前がつけられています。
それぞれ、そのコーヒーのイメージから名前がつけられていていて、そのどれもが飲んだ人に最高のコーヒー体験を提供してくれるシリーズです。
世界大会でも、その競技のときに、その審査員たちしか味わえないコーヒーの味わいを、ご家庭やよくいくコーヒーショップで飲めるだけで、もうたまらないですよね。
気分はまるで世界大会審査員、、、笑
飲む人の記憶に残る、また、スペシャルティコーヒーの可能性をさらに高めた、素晴らしいプロセス。
ぜひたくさんの方に飲んで知っていただきたい取り組みです!